低用量ピルは更年期障害にも効果あり

頭を抱える女性

更年期障害のメカニズムを簡単に説明すると今まで分泌されていた女性ホルモン量を加齢によって卵巣がうまく分泌できなくなってしまい、視床下部や脳下垂体からのホルモン分泌命令が増えてしまうアンバランスが起こることが原因です。
脳の視床下部にはホルモンの中枢があるだけでなく自律神経もありますので視床下部のホルモンバランスが崩れることで自律神経のバランスも崩れてしまうことになります。
脳下垂体は卵巣刺激ホルモンと副腎刺激ホルモンを刺激する働きがありますが、自律神経には血管、泌尿器、胃腸などの働きを刺激する働きがあるため、体全体にストレスや不具合を感じることになるのです。
そのために更年期のホルモンバランスの乱れは自律神経失調症の症状とよく似ているのです。
加齢だけが更年期障害を生じる原因なのではなく、ストレスやうつのような精神的要因も更年期障害を引き起こす原因になります。
低用量ピルが有効なのは脳下垂体や視床下部から卵巣に対してホルモン量を増加させるための命令が出ている状態の更年期障害です。
過剰な分泌命令が鎮まれば閉経することになります。
ホルモン中枢が落ち着けば自律神経も落ち着くことになりますから、閉経すれば卵巣機能も落ち着き、不定愁訴のような不安定な精神状態が安定してきます。
女性ホルモンは月経や妊娠だけでなく脂質代謝、骨代謝、皮膚の保湿などの働きにも影響していますので、閉経することで肌が乾燥したり、骨が細くなったり、悪玉コレステロールが増加したりする変化が起こります。
卵巣機能が低下すると水がたまって腫れたり、無月経や無排卵といった状態が起こります。これは年齢にかかわらず20代や30代の女性にもよく見られる症状です。
卵巣から分泌されるエストロゲン、プロゲステロンが減少するために起こり、卵胞が成熟しづらく、卵巣膜も厚くなりにくいといった問題が起こります。43歳未満の早期に閉経することを早期閉経と呼んでいます。

ホルモン療法として使うには何歳まで服用できるの?

低用量ピルは避妊に利用されているだけでなく、生理不順、不正出血、更年期障害の予防や症状の緩和にも使われています。
ホルモン補充療法は40代後半を目安にして処方されますが、血液検査をして女性ホルモンの分泌量の減少スピードによって処方されるのが理想的です。
最低限のホルモン量を維持することで閉経した後のホルモン環境に体を慣れさせるために用いられる治療法です。
欧米では5年ほど継続してホルモン補充療法を実施するのが一般的ですが、日本では閉経後3年をめどに終了するのが一般的です。
ホルモンバランスが崩れた状態に体を慣れさせるためという目的のため、不定愁訴などが緩やかになってきたら中止します。血栓症、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まるという理由もあります。
ただし、骨粗しょう症の治療としては閉経後5年から10年と長期にわたって処方されることも珍しくありません。長期間ホルモン補充療法を実施する場合には年齢にかかわらず、より自然に近い方法をとる必要があります。
定期的な検査で異常が見つからず、ホルモン補充療法を続けることで不安定な体調が改善されるのであれば継続することもできます。
低用量ピルは更年期障害の原因となるエストロゲンを増加させてくれる働きがあるため、7割の女性が症状改善したという結果があるほど著しい改善が期待できます。
他にも、女性ホルモン補充目的のために開発された、パッチタイプの薬剤であるクリマラで更年期障害を改善できることも期待できます。
のぼせ、ほてり、発汗に対しては1週間から2週間で、不眠やイライラ、疲労感などの精神的な要因が絡む症状についても3か月以内には改善がみられるといわれています。
低用量ピルは生理が始まることや人工的な薬のため副作用の心配があることは確かですが、生活の質を高めてくれることや辛い症状を改善してくれること、注意して飲めば副作用も避けられることなどを理由に年齢にかかわらず利用されています。
副作用が心配な方は低用量ピルと同じ効果を持つ貼り薬を使うのもおすすめです。